東京都港区麻布十番3-8-1 日比谷麻布十番ビル1階

ハンガリーの民族楽器「テケルー」で奏でられてきた音楽を紹介するコンサートです。
プログラム
1)パートリア・セット
2)ハンガリー古楽(古謡とウンガレスカ)
3)2つのリズム:ティサ川両岸の異なるリズム
4)最後の伝統的テケルー製作家:バールショニ・ミハーイ
5)ボクロシュ村の祝い歌
日時:4月18日(木)18:00~19:00
会場:リスト・ハンガリー文化センター
年齢制限:中学生以上
言語:日本語
定員:40名(抽選)
出演:高久圭二郎(テケルー奏者)
※こちらのイベントのお申し込みは締め切りました。
沢山の方のお申込み、有難うございました。
当選者の方にはメールでお知らせしますので、culture.tokyo@mfa.gov.huからのメールが届くように設定をお願いいたします。
高久圭二郎
テケレー演奏家 埼玉県蕨市出身。埼玉大学卒業後、ハンガリー国立リスト音楽院(現リスト音楽大学)へ留学。打楽器全般をラーツ・ゾルターンに師事する。同時期にハンガリーの民族楽器テケルーと出会い、2003年よりハンガリーテケルーオーケストラ創設メンバーに師事し2005年に同団メンバーとなる。同団の各地公演やターンツハーズ(ダンスハウス)に出演するなど、テケルー演奏の研鑽を積む。ハンガリー在住30年を期に完全帰国。
テケルー Tekerő(ハンガリーのハーディガーディ)
ハンガリー南部平原地帯、ドナウ川とティサ川流域地方の伝統楽器テケルーは、ヨーロッパにおいて千年ほどの歴史を持つハーディガーディの一つ。
中世に欧州各地で見られたハーディガーディは多声音楽の発展とともに衰退し、20世紀初期にはほとんど廃れていた。20世紀半ばに始まった民族文化復興運動や、クラシック音楽の古楽器ブームにより「再発見」され、現在では再びヨーロッパ各地で演奏されている。
テケルーには基本構造として、木製の円盤とそれを回すクランクとハンドルがあり、その円盤を回転させて弦をこすり音を奏でる擦弦楽器に分類される。弦は基本的にフランス式(ヴィエール・ア・ルー)は6本、ハンガリー式は3本で、それらはベース音となる低音ドローン弦、唸り駒によりバズ音を刻むリズム・ドローン弦、旋律弦の3つに分類される。リズムとなるバズ音はハンドルを回す際に、手首を使った急激な動きで回転速度に変化を加えて作る。
ハンガリーの伝統音楽のなかでは、一人で、あるいは民族楽器化されたEs管クラリネットまたはハンガリーのバグパイプ「ドゥダ」との二重奏で演奏されていた。まれにテケルー、Es管クラリネット、ドゥダの三重奏なども存在した。
テケルーも忘れられた楽器の一つではあったが、1972年に始まったダンスハウス運動の頃に「再発見」され、1970年代終わり頃よりブダペスト民俗音楽学校で選択楽器の一つとなってから少しずつ演奏人口が増加し始め、2009年のリスト音楽大学民俗音楽科発足時にはテケレーも専攻楽器の一つとなった。現在では伝統音楽だけではなくジャズなども自在に演奏するヴィルトゥ オーゾなテケルー音楽家も現れている。